インフラ業界は転勤が多い?
「知らない土地に配属されたらどうしよう」「将来、結婚や子育てと両立できるだろうか」
就職活動を進める中で、こうした不安から企業選びに迷っている方も多いのではないでしょうか。
実際に、マイナビの「2027年卒大学生就職意識調査」では、入社後の転勤について「転勤はしたくない」と答えた学生が34.5%にのぼりました。「引っ越しが不要な範囲内であれば転勤があっても良い」(24.5%)、「エリア内であれば転勤があっても良い」(16.3%)を合わせると、7割以上の学生が転勤を避けたい、または範囲を限定したいと考えています。
また、「行きたくない会社」として「転勤の多い会社」を挙げた学生は33.3%で、6年連続で増加しています。
見知らぬ土地でイチから人間関係や生活基盤を築く大変さや、将来のライフプランとの両立を考えれば、全国転勤が就活生の不安要素のトップになるのも当然と言えるでしょう。
参照元:株式会社マイナビ「マイナビ 2027年卒大学生就職意識調査」https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260424_109895/
なぜインフラ業界は「転勤が多い」イメージなのか
インフラ業界に対して、「全国転勤が多そう」というイメージを持っている就活生は少なくありません。このイメージの背景には、主に2つの理由があります。
事業規模が全国に及ぶ大企業が多いから
電力・ガス・水道や交通など、日本全国の生活を支えるインフラ企業は、「全国展開している大企業」であることがほとんどです。
そのため、「事業規模が全国に及ぶ=全国転勤が前提」という図式が、無意識のうちに結びついてしまっているのです。
「総合職=ジョブローテーション」のイメージが根強いから
総合職として入社した後、ジョブローテーション(定期的な異動によって幅広い経験を積ませる人事制度)の一環で、全国の支社を数年単位で転々とする。こうした旧来の日本企業の「王道キャリア」のイメージが根強いことも、大きく影響しています。
実はインフラ業界の働き方は「プロジェクト型」と「施設運営型」に分かれる
ひとくちに「インフラ業界」と言っても、実際の働き方は大きく2つのタイプに分かれます。どちらのタイプかによって、転勤の頻度はまったく異なるのです。
現場を渡り歩く「プロジェクト型」
ひとつは、ゼネコン(建設工事を一括で請け負う総合建設会社)やプラントエンジニアリングのように、全国各地で大規模な案件を受注する「本社主導のプロジェクト型」です。
数ヶ月〜数年単位で現場を渡り歩き、プロジェクトが完了すると次の現場へ移動するため、必然的に転勤が多くなる傾向にあります。
地域拠点に根ざす「施設運営型」
もうひとつは、完成したインフラ施設を長期的に管理・運営する「地域拠点に根ざす施設運営型」です。こちらは、一度配属されたエリアの施設に腰を据えて働くことが基本となります。
たとえば、上下水道などの水インフラの運転管理を担う企業は、施設運営型の代表例です。浄水場や下水処理場といった担当エリアの施設に常駐し、日々の運転管理やメンテナンスを継続的に行うのが基本となります。
同じ施設で長く働くため、現場を転々とする働き方とは根本的に異なります。
実際に、下水処理場の管理(機械の点検・操作など)は、9割以上で民間委託が導入済みです。自治体の施設を民間企業が運転管理する形は、すでに全国で広く定着しています。
参照元:国土交通省「下水道分野のPPP/PFI(官民連携)」https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/002009996.pdf
「全国に拠点がある」=「転勤が多い」ではない理由
「全国に事業所があるなら、結局は全国転勤させられるのでは?」と不安に思うかもしれません。しかし、施設運営型のインフラ企業では、むしろ逆の考え方ができます。
「全国に拠点がある」ということは、裏を返せば「地元など、自分が働きたいエリアに勤務先がある可能性が高い」ということです。拠点が少なければ配属先の選択肢も限られますが、拠点が多いほど、希望するエリアへの配属が叶いやすくなります。
特に、全国の自治体から施設の運転管理を任されている企業であれば、各地域に勤務先となる施設があります。全国各地に活躍できる職場があるからこそ、「地元で働きたい」「慣れ親しんだ土地でキャリアを築きたい」という希望に応えやすく、結果として転勤の少ない働き方が実現しやすいのです。
地域に根ざして働くとはどういうことか
地域に根ざして働く魅力は、単に「転勤がない」という条件面だけにとどまりません。
地域の日常を守る「やりがい」を実感できる
自分が日々管理しているインフラが、家族や友人、そして地域の人々の当たり前の日常を直接守っている。そんな「地域を支えている」というやりがいを肌で感じられるのは、地域に根ざして働くからこその醍醐味です。
中長期的な人生設計が立てやすい
働く場所が頻繁に変わらないため、中長期的な人生設計が立てやすくなるのも大きなメリットです。
マイホームの購入や子育て環境の整備、趣味や地域コミュニティへの参加など、プライベートの生活基盤を安定させながら、仕事でも着実に専門スキルを磨いていくことができます。
「どこで働くか」は、「どう生きるか」に直結します。転勤への不安をクリアした先にある「その土地で長く働き、地域のインフラを守り続ける」というキャリアは、これからの時代の豊かな選択肢のひとつになるはずです。
ウォーターエージェンシー
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