生活の当たり前を守る!知られざる水インフラ業界を深掘り
私たちの生活に欠かせない「水」。蛇口をひねれば水が出るという当たり前の日常は、水インフラ業界によって守られています。
本記事では、意外と知られていない水インフラ業界の仕事の流れや、各分野における仕事内容の違いをまとめました。
水インフラ業界とは?全体像と仕事の流れ
「安全な水を作り、使った水をきれいにして自然へ還す」という、私たちの生活と環境を守る非常に社会貢献度の高い業界です。仕事の流れは、大きく分けて上水道と下水道の2つのサイクルで構成されています。
水を安全に届ける「上水道」
上水道のプロセスは、緻密な工程で成り立っています。まず、河川やダムなどから水を取り入れる「取水」を行い、その水を浄水場へと送る「導水」を行います。
次に、浄水場でろ過や消毒を行い、安全な飲料水を作るのが「浄水」という工程です。きれいになった水を各地域の配水施設に送る「送水」の後、張り巡らされた水道管を通じて各家庭や施設へ届ける「配水」が行われます。
使った水を浄化する「下水道」
下水道も、環境保全に欠かせない重要なサイクルです。各家庭や工場から排出された汚水、街に降った雨水は、地下に広がる下水道管を通して集められます。
集められた水は下水処理場(水処理センター)へと運ばれ、微生物の働きなどを利用して浄化処理される仕組みです。きれいに生まれ変わった水は、再び河川や海などの自然環境へと放流され、地球の水循環へと戻っていきます。
水インフラ業界を支える企業・組織の役割
水インフラは、社会全体を網羅する巨大なシステムです。そのため、決して1つの組織だけで完結するものではありません。
事業の主体となる各自治体(水道局)を中心に、施設の建設や機器の製造、完成した設備の保守運用など、それぞれを専門とする民間企業が細かく役割を分担しています。
水道局
水インフラ事業の大元であり、主体として全体を統括するのが水道局です。各自治体が運営を行っていますが、巨大なインフラ設備を自治体職員の力だけで維持・管理することは困難なため、実際の業務の多くは専門の民間企業と協力して進められています。
水道局の職員を目指す場合は、各自治体が実施する職員採用試験(地方公務員採用試験など)を受験し、合格・採用されるのが一般的です。
働く上でのメリット
最大のメリットは、公務員ならではの身分の安定性と充実した福利厚生です。地域のインフラ基盤を支える計画に根幹から携わることができるため、地域社会に貢献しているという実感を得やすく、非常にやりがいのある仕事と言えます。
水インフラの維持管理企業
建設された施設を安全に稼働させ続けるのが、水インフラの維持管理企業の役割です。
安全な水を安定供給し続けるための守りの要であり、主な業務は、機械や電気設備の日常点検、中央操作室での24時間体制の運転監視、水質チェックなど多岐にわたります。
インフラ系の仕事は理系のイメージが強いかもしれませんが、マニュアル化された監視業務や点検業務も多く、文系出身者や未経験からでも十分に挑戦しやすい職種です。
働く上でのメリット
一度自治体から業務を受託すれば、数年から数十年単位で契約が継続するストック型ビジネスであるため、企業としての安定性が高い点が魅力です。夜勤などの不規則さはあるものの、ルーティンワークが得意で、着実にコツコツと働きたい人に向いています。
水処理プラント・重工メーカー
浄水場や下水処理場といった大規模な施設そのものや、そこに設置される大型の機械設備、専用の部材などの製造・建設を担うのが水処理プラント・重工メーカーです。
大企業(日立製作所や三菱重工業など)が多数参入している分野のため、待遇面に恵まれている反面、入社への競争率が高い傾向にあります。
働く上でのメリット
数十億円規模の巨大プロジェクトに関われる、スケールの大きな仕事です。大企業ならではの待遇の良さに加え、水処理における最先端の技術開発に携われる点も大きな魅力と言えます。
水インフラの専門技術職(水質分析・管路調査・漏水調査など)
水インフラ業界には、特定の分野に特化した専門技術職の集団も存在します。具体的には、水の安全性を担保するための高度な「水質分析」や、地下に埋設された水道管の老朽化状態を調べる「管路調査」、特殊な機器を使って水漏れを発見する「漏水調査」などを実施。
市場規模自体は比較的小さいものの、高度な専門知識と特殊な機器の操作スキルが求められる重要なポジションです。
働く上でのメリット
全国でインフラの老朽化が課題となっている今、施設の維持・管理は欠かせない仕事であり、将来にわたって安定したニーズが見込めます。働きながら専門的なスキルや資格を取得でき、手に職をつけられる点が大きなメリットです。
【番外編】水道工事・修理業者
※厳密には水インフラ業界(上水道・下水道の基幹システム)とは異なりますが、混同されることも多いため、敢えて番外編として掲載しています。
一般家庭のトイレの詰まりやキッチンの水漏れといった、身近な水道トラブルに駆けつけて対応するのが水道工事・修理業者です。
現場での作業が中心となるため、体力が求められる仕事。参入障壁が比較的低く、市場はすでに飽和状態にあるため、企業間の競争が激しい分野でもあります。
働く上でのメリット
人々の生活に密着した身近なトラブルを解決するため、常に需要が絶えない点や、スキルを身につければ独立しやすい点がメリット。
ただし、体力勝負の側面があることに加え、ライバル企業も多いため、シビアな競争環境であることは押さえておきたいポイントです。
ウォーターエージェンシー
プロになれる!
勤務地は全国39都道府県
ウォーターエージェンシー(WA)は、1953年の創業から70年以上にわたり水インフラ施設を維持管理してきた、日本の水インフラ業界を代表する企業です。同社による水インフラの維持管理事業である水マネジメントは、地域特性への対応や多種多様な施設と設備の管理に適応することができ、全国39都道府県で1,400か所の施設を運営しています。
また、WAでは文系理系不問の採用方針を掲げており、各種資格の取得サポートや、月間平均残業3.7時間、平均勤続年数21.0年と、未経験者でも長く安定して活躍できる環境づくりを行っています。
(https://water-agency.com/)
